千倉書房 連載ブログ

千倉書房 連載用ブログ


TPP時代の関税?その?ケース7 中国と貿易する場合の留意点

Q 中国は、2001年12月11日にWTOに加盟しました。加盟してからほぼ10年を経過しますが、中国はWTO加盟によりどう変わりましたか?
A WTO加盟による変化を時系列的に説明しましょう。WTO加盟後の変化は、3つの期間に分けることができます。

1?  加盟?2005年頃
WTO加盟を受けて、大型外資の中国製造業に対する投資が活発になりました。主品目の関税譲許の実施スケジュールが、加盟時から2003年?2005年にかけて作成されているのと対応しています。おおよそ四分の三の品目(約5300品目) の関税が下がりました。具体的には工業品の平均が11・6%、農産物の平均が15・8%、水産物の平均が14・3%になりました。
中国は、加盟に際し、WTO協定が中国全土の関税地域に適用されること、これらは中央と地方で差別されないこと、外国為替の公平で合理的な管理、貿易に影響を及ぼす行政行為に独立した司法審査が及ぶこと、透明性確保等を約束しました。
従来中国企業が貿易をするには、貿易権の許可が必要でしたが、その制限を取り除きました。加盟後、中国産品の輸出が急増し、WTO加盟輸入国に対する脅威となる場合に備えて、それまで不備であった中国側のセーフガード、ダンピング、相殺関税の規定の整備を義務付けました。輸入国で中国産品の輸入が急激に増えた場合、輸入国はセーフガードを発令して、一時的に輸入を制限できます。中国産品が不当に安価な価格で輸入された場合には、ダンピング税を課することができます。中国政府が中国産品に補助金等与え、輸出を不当に増やした場合、輸入国は相殺関税を課することができます。
特許、意匠、商標、著作権及び技術輸出入等の知的財産権についても、中国はTRIPS(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)を遵守することを約束しました。
2?  2006?2007年頃
大型外資の中国製造業に対する投資・規制緩和がほぼ完了しました。
3?  2008年以降
外資優遇税制が撤廃されました。リーマンショックからもすばやく立ち直り、再び輸出牽引の経済になりました。しかしながら、人民元高、労働賃金の増加、労働契約法の実施など、新しい局面を迎えています。
中国のWTO加盟に際し、業種毎に規制緩和スケジュールが定められました。
● 保険サービス業の規制緩和(?2004年完了)
● 建設サービス業の規制緩和(?2004年完了)
● 流通サービス業の規制緩和(?2006年完了)
● 観光サービス業の規制緩和(?2007年完了)
● 電気通信サービス業の規制緩和(?2007年外資出資率50%までとし完了)
● 運輸サービス業の規制(?2011年の予定)
経過的レビューとして、WTO一般理事会等が中国の義務履行状況を毎年審査(加盟後10年間)し、協定遵守状況を点検するため、経過的検討制度が設けられました。経過的レビューは、中国のWTO加盟後、2年ごとに継続して実施され、直近では2008年に行われました。2010年にも行われ、経過的レビューの最終年度は、2012年になります。関税障壁、非関税障壁のみならず、投資、農業分野、知的財産権、サービス、通信、政府調達および法規制と透明化のほぼ全分野にわたってレビューされています。ただし中国政府はこの内容を現在公表しておりません。

payday loans

コメントは受け付けていません。