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適格組織再編税制(共同事業類型)— 株式交換(5)

前回、共同事業類型の適格組織再編税制に触れた。今回、その詳細について株式交換を例に説明する。

? 共同事業性
ターゲット会社の主要事業が買収者の事業と関連する必要がある。両者の間に競業他社の関係や、メーカーと販売業者という関係がある場合が典型だ。この点で問題になるのは、一方当事者が持ち株会社である場合だ。持ち株会社の事業は、あくまで株式を保有することだから、それと共同事業性が認められるには原則として他方当事者も持ち株会社である必要がある。もっとも、持ち株会社でも子会社の事業の機能の一部を担っている場合であれば共同事業性が認められる余地がある。

? 従業者の引継
ターゲット会社の「従業者」の概ね80%以上が株式交換後もターゲット会社の事業に従事することが見込まれる必要がある。現在の不況下では、ターゲット会社で従業員リストラ計画が議論されている場面もありがちである。その場合、適格組織再編税制の観点から、従業員削減の実行のタイミングに注意する必要がある。

? 規模要件または経営参画要件
年間売上、従業員数若しくはそれに準じるものに関し、ターゲット会社と買収者との間で5倍を超える差がないこと、またはターゲット会社の一定の取締役が株式交換に伴って退任しない必要がある。買収者が株式交換後にターゲット会社の経営陣の構成を変更することがあるが、この要件に照らして留意する必要がある。

? 事業継続
ターゲット会社の主要事業について継続が見込まれる必要がある。逆にいえば、それ以外の事業についてはリストラ計画の一環として譲渡されても問題ない。

? 完全支配継続
ターゲット会社と買収者との完全支配関係が株式交換後継続することが見込まれる必要がある。

? 株式の継続保有
ターゲット会社の株主が50人未満であれば、それら株主による買収者株式の継続保有も必要である。もっとも、ターゲット会社が上場会社であれば株主は通常50人以上だから、この要件は問題にならない。

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