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資本等取引(13回目)

企業会計では、資本取引と損益取引を明瞭に区別することを求めている。特に、「資本剰余金」と「利益剰余金」とを混同してはならないとしている(企業会計原則 一般原則三)。

企業会計が、「資本剰余金」(注1)と「利益剰余金」についてこのように明確な区分を求めているのは、前者が資本取引から生じた剰余金であり、後者が損益取引から生じた剰余金、すなわち留保金であることから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に表示されないこととなってしまうためである。(同注解2

 (注1)なお、商法(筆者注:同原則制定当時、現会社法)上、「資本準備金」として認められる資本剰余金は限られている。したがって、それ以外のものを剰余金として計上する場合には、「資本剰余金」ではなく、「その他の剰余金」の区分に記載するというのが企業会計原則の立場である(一般原則注22))。

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企業会計におけるこのような考え方は税務会計においても同様である。そこで、法人税法では、増資や減資などといった会社の「資本金等の額」(注2)を増加あるいは減少させる取引については、それらを「資本等取引」として「損益取引」と区分し、法人税の課税標準たる「所得の金額」に反映させないこととしている(法法22?、?三)。

(注2)ここでいう「資本金等の額」とは、法人が株主等から出資を受けた金額及び払込剰金、合併差益等である。(法法2十六、法令8、法基通1-5-4)。

なお、ここでいう「資本等取引」には、資本金等の増減取引だけでなく、法人が行う利益又は剰余金の分配も含まれる(法法22条?)

ただし、出資者からなされる支援目的の金銭支給等は資本等取引には含まれず、無償による資産の譲り受けとなって益金を構成する。(法法22?)

したがって、ここでも企業会計と税務会計では若干のズレが生じてくる。

具体的には次のようなイメージである。

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