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研究開発費(16回目)

 企業会計でいう研究開発費とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査的探究(「研究」)と、新しい製品・サービス・生産方法についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化する行為(「開発」)である(1998年3月30日:研究開発等に係る会計基準一)。
 そして、研究開発費には、人件費、原材料費、固定資産の減価償却費及び間接費の配賦額等、研究開発のために費消されたすべての原価が含まれる(同基準二)。
 企業会計では、研究開発費は、すべて発生時に費用として処理しなければならないこととされている(同基準三)。(注)

(注)ただし、国際会計基準では、特定の開発費用については無形資産計上が義務付けられている。

 それに対して、税務会計においては、研究開発費は「開発費」と「試験研究費」に区分されている。このうち、「開発費」とは、新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために特別に支出する費用をいうこととされている(法人税法施行令14条12項4号)。

 そして、「開発費」については、原則として「随時償却」によることとされている(同令64条1項1号)。
 また、「試験研究費」とは装置の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用で次に掲げる費用である(租税特別措置法42条の4、1号、同法施行令27条の4、6項)。
?その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその業務に専ら従事する者に係るものに限る)
?他の者に委託して試験研究を行う法人のその試験研究のためにその委託を受けた法人に対して支払う費用
?鉱工業技術研究組合法の規定により賦課される費用
 
「試験研究費」については、その総額に対し、一定の税額控除割合により計算された金額(法人税額の20%が上限)を法人税額から控除することが認められている(租税法42条の4、1項)。
 さらに、平成20年の税制改正で、試験研究費の対前年増加額の5%又は試験研究費の額が売上高の10%を越える場合にはその一定割合(法人税額の10%相当額が上限)のいずれかを控除することも認めることとなった(同前9項、10項)。

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