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納税者の義務として納税者番号を点検(13)

 少子高齢化社会に突入した日本は、年金及び(年金原資を賄う)税金の改革は急務である。しかし、改革を阻む最大の要因は、正直者はバカを見るという根強い国民感情にある。にわとりと卵の議論に通じるが、正直者はバカを見るという国民感情を是正する内容の改革を実施しない限り問題は解決しないのである。正直者はバカを見るという国民感情を是正する内容の改革とは、?年金の一元化、?納税者番号制度の導入、?所得税の課税ベース(現状は穴の空いた桶状態)の適正化、?税金・年金徴収コストの削減の実施にあると考える。

納税者番号制度の導入とは納税者の果たすべき義務を制度化するものと考える。納税者番号制度の導入に多くの反対があるが、その反対は、あまりに自己的、近視眼的のものである。「権利は主張するが義務は果たさない」という今の日本の社会の弊害が、如実に現れている。納税者番号制度の導入により、給与所得者と事業所得者との所得捕捉率の差(いわゆるクロヨン問題)の是正、資産所得などの申告漏れの把握が可能となる。このことにより正直者はバカを見るという国民感情は改善されるであろう。

納税者番号制度の導入に反対の理由のひとつに個人情報の保護があるが、木を見て森を見ない議論と解する。守られるべき個人情報を拡大解釈すべきではない。秘密保持に関して日本より厳しい米国において納税者番号制度が定着していることは、守られるべき個人情報が守られることが担保されているからである。納税者番号制度はアメリカ、カナダ、イタリア、オーストラリア等の主要国において導入されている。

アメリカの納税者番号を例に説明する。アメリカの納税者番号はソーシャル・セキュリティ・ナンバー(以下SSN)である。SSNは米国国民(提出書類:出生証明書)のみならず、非永住者(提出書類:パスポート、就労ビザ)も取得できる。銀行口座の開設、アパートの契約、クレジットカードの申し込みにおいてSSNの提示が求められるため、アメリカで生活する上で絶対に欠かせない番号である。SSNがない人は米国において正しい申告をしない人と推定され、通常より高い税金が課される。つまり、納税者番号を使用しない場合、ペナルティが課せられる。

日本において身分証明に一番利用されるのが運転免許証であるが、SSNはアメリカにおいて個人を識別する唯一の手段(番号)と位置付けられている。それ故、アメリカにおいてはSSNを常に携帯することが必要となる。留意すべき点は、SSNに記載されている情報は、SSNと名前だけである。住所、性別、生年月日の記載はない。

アメリカのSSN、その他納税者番号を導入している国の制度を参考にしながら、適正・公平な課税の実現ため納税者番号制度の導入を前向きに検討すべきである。

コメント / トラックバック 3 件

  1. はな より:

    この制度で所得が少ない人に自動的に金を給付するようにするらしいです。
    これは再分配のための制度ですよ。とんでもないです。頑張った人が報われる国を作るためにはばら撒きはやめるべきですから、そのためのこの制度もやめるべきです。

  2. 普通の国民 より:

    結局、ばらまきと余計なおせっかい(収入比例年金)に使われるだけです。フリーターに税金をばらまいたり、自営業者にサラリーマン並みの年金を強制するのは間違いです。フリーターは自己責任だし、自営業者は定年がないから年金の必要性が低いですからね。

    そもそも国家に強大な権限を与えるべきではありません。国家からの自由こそ近代の自由の大原則です。

  3. 村田守弘のブログ より:

    2009年9月22日の新聞によりますと「藤井財務相は、21日、すべての納税者に番号を付けて所得を把握する「納税者番号制度」の導入に向けた検討を始める方針を表明した。」とあります。村田守弘のブログでは、「納税者番号制度」の導入についてみなさまのご意見を募集中です。

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