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第十二回 税負担の転嫁(法人税)

法人税の税負担の転嫁については様々な議論がある。製品価格に転嫁されている、株主に転嫁されている、税負担が上がれば企業は海外に移転することができるので、結局は海外に行けずに国内にとどまる国民の負担になる、など様々であり、コンセンサスは形成されていない。
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法人税は取引をした結果としての利益が課税標準であり、利益がなければ課税もない。消費税の場合と異なり、税金分を取引価格にオンする必要はないので、本来の均衡点から取引数量が減少することはない。法人税・所得税といった所得に対する課税の方が、消費税に比べて余剰の損失が少ない点は望ましい。
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取引の結果としての利益の額から一定率を法人税として納めるとすれば、その分だけ株主への配当可能額が減少することになる。その意味で、法人税は株主が負担しているという考え方には一定の合理性がある。そう前提すれば、法人税負担は、財・サービスの生産・消費の水準が低くなるという類の問題ではなく、企業部門の資金調達の問題、すなわち資本市場の問題ということになる。

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