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第十三回 外国人の税負担

消費税・法人税の税負担を誰がしているかについて若干の考察をした。

消費税については、均衡点における取引数量が少なくなることを通じて、消費者と生産者の両方が負担をしているとされるが、消費税にかかわらず取引数量が変わらなければ、経済にとっての負担はないということになる。
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この分析に従えば、輸入取引に対しては、輸入消費税がかかるので、均衡点における取引数量の減少を通じて、国内の消費者と海外の生産者が税負担を分け合うことになる。価格水準にかかわらず取引数量が同じであれば、外国人の税負担は生じない。一方、輸出の場合には、輸出免税により国内で消費税はかからないが、外国に消費税と同じような税(例えば付加価値税)があれば、輸出量の減少を通じて日本の生産者は外国の税の一部を負担することになる。
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また、社会保険料や資産税については、その分が製造原価にオンされることになるので、消費税の場合と同じように取引価格が上がり、取引数量が少なくなることを通じて、余剰の喪失が生じる。但し、消費税の場合には、税収が消費者の国に入るのに対して、社会保険料や資産税の場合には、税収が生産者の国に入るという違いがある。
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法人税の場合には、利益に対して課税されるので、均衡点における取引数量に影響は与えない。株主への配当可能額が税負担の分だけ減少するとみれば、株主が税負担していると考えることができる。そうであれば、約30%の上場企業の法人税負担は、外国人によっていることになる。
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納税の義務は我が国憲法で定められた国民の義務の一つであるが、経済取引が国際化した現在、国民がどれほどの税負担をしているかを分析することは上記のとおり容易ではない。公共サービスの財源を調達するために税負担をしていることを鑑みれば、原則としては、その受益者である国民が税負担をすべきだろう。どれほどの税負担を外国人にさせるかは、グローバル化する企業が国を選ぶ時代であることを念頭に置き、国民的な議論をすべきである。

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