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第二回 21世紀の重商主義

円高とエネルギーの輸入増加を主たる要因として貿易収支が赤字に転じている。これらの要因は一時的なもので、貿易赤字は長くは続かないだろうが、仮に貿易赤字から経常赤字に転じることがあれば、日本円に対する信認が低くなり、国債の暴落は現実的になる、というような評論を目にする。

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輸出を促進して貿易収支を黒字化することが是のようにいわれるが、果たしてそうだろうか?輸出が増えれば、円高になる、円高になれば、より厳しい経費削減を迫られる、その結果雇用は海外に流出する…。むしろ、輸入を促進してはどうか?

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輸出促進・輸入制限によって国富を蓄積する16世紀フランスの重商主義政策は、国民の厚生水準は「いくら稼いだか」ではなく「どれだけ消費できたか」によって測定されるべきだとして、後の経済学者によって批判されることになる。輸出をして外貨を稼ぐことは貿易立国日本にとって不可欠であることは言を俟たないが、貿易黒字を蓄積すること自体を本旨とすれば、それは21世紀の重商主義である。

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日本の対外債権残高は250兆円といわれている。国民の生産よりも消費の方が250兆円分少ないということである。貿易収支を黒字にするために輸出を促進するのではなく、国内で消費するために輸入を促進する、そうすることで為替は円安になり、雇用も国内に戻ってくる。こういう循環をつくる政策が必要なのではないだろうか。

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