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第二十五回 貯蓄税 その2

貯蓄税には様々な方法が考えられる。
1.?預貯金に対する課税
2.?金融資産に対する課税
3.?固定資産に対する課税
4.?土地に対する課税
5.?金融所得に対する課税
6.?不動産所得に対する課税

預貯金に対する課税は、マイナス利子という意味合いもある。デフレ局面においては、貨幣価値が上がっているので、例えば、名目利子率0%で、1%の貯蓄税が課され、2%のデフレであれば、実質利子率は1%という具合に、実質利子率の非負制約を排除するという効果もある。実質利子率を引き下げることで、投資需要を喚起し、また、預貯金を蓄積することをディスインセンティバイズすることで、消費を刺激する効果も期待できる。

一方、固定資産に対する課税は、資産の流動化を促進し、効率のよい資産運用が期待できる。例えば、固定資産に対して3%の課税をしたならば、運用益が3%未満の不動産を保有するインセンティブはなくなり、その結果、不動産は、効率よく運用できる人に流れる。駅前の一等地がシャッター街になっているのは、固定資産税が減免されているからという指摘もあり、資産の効率的な利用を促すという効果が期待できる。固定資産税が上がれば、不動産価格は下がり、格差解消にも役立つ。資産の効率的な運用で、レントが上がれば、デフレの解消にもなる。

また、資産に対する直接的な課税ではなく、資産から生じる所得に対する課税方法も考えられる。金融所得や不動産所得に対する課税がそれである。現行制度上は、一度税負担をした後の所得から生じる運用益に対しては、勤労所得よりも軽減された税率が適用されるべきという考え方から、金融所得については概ね20%の税率で課税されている。この税率を引き上げることによって、資産の保有に対して間接的に課税をするという考え方である。但し、いくら課税されても元本が目減りすることはないので、資産の保有に対して直接的に課税する方法に比べるとその効果は限定的と考えられる。

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