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第二十三回 店と奥の分離

消費増税の準備法案が国会で可決された。消費増税には何年もの歳月を要するのに対して、所得増税はいとも簡単に行われるのはなぜだろうか?

所得税・消費税ともに税収は10兆円強である。GDPに対する割合で2%から3%の水準である。所得税率は累進で最高税率40%、消費税率は一律4%である。消費税は付加価値に対する課税であるのに対して、所得税は経費を控除した後のネットの所得に対する課税である点が異なるが、所得税も家事上の経費は控除することができない、換言すれば家事上の経費が課税ベースとなっており、最終消費を課税ベースとする消費税と課税ベースは類似している。別言すれば、事業者の経費は所得の計算上控除できるし、消費税の支払いも控除できる仕組みになっている。正しい税額計算のためには「店と奥の分離」が極めて重要ということである。

法人・個人を問わず、事業者は、例えば、車を購入した場合、まず、消費税を控除することができるので、購入価格は税抜き価格になり、更に減価償却を通じて購入費用を所得から控除できるので、実質の負担は税抜き価格の(1ー税率)ということになる。それ故に、賃貸不動産、接待遊興など、法人用と個人用で価格の設定水準が著しく異なるものも少なくない。

このような税制は、税率が高ければ高いほど、サラリーマンと事業者を不公平に取り扱うことになる税制である。従来のクロヨン問題は随分是正されたと言われるが、このような歪みは依然として残っており、本来消費税率を引き上げる前に、この問題を解決することで税収をあげるべきである。この問題を放置して一率に消費税率を引き上げれば、歪みは拡大するばかりである。

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