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第九回目 日本の富裕層に対する増税(その4)

富裕層に対する増税の記事をまとめている過程で気づいた点に触れます。それは、「所得税の実効税率」と「給与所得控除」です。今回は、「所得税の実効税率」について検討いたします。

「所得税の実効税率」について、所得税の実効税率は所得階層が上がる毎に上がっていきます。課税所得1億円の人の平均実効税率は28.3%です。それは課税所得が1,800万円までは低い税率が課されるため実効税率は40%でなく、それより低くなるからです。常識的に考えれば、課税所得が100億円であれば、限りなく実効税率は40%に近づくはずです。しかし、実際は違う絵を描きます。実効税率は、課税所得1億円をピークとして、それを超えると反転して下がります。課税所得50億円超100億円のグループの実効税率は、実に13.5%という低い実効税率になっています。

それは、株式等を譲渡した場合は、他の所得と区分して税金を計算する「申告分離課税」があるからです。「申告分離課税」を採用した場合、上場株式の譲渡の税率は10%(住民税3%を含む)、非上場の株式の譲渡の場合税率は20%(住民税5%を含む)と非常に低い税率の取扱いです。株式配当も同様な取扱いです。

株式等の保有が富裕者層に偏っていることから、富裕者の中でも特に富んでいる人々が、「申告分離課税」でより富の積み上げが可能となることは、格差の拡大を増長し、社会的公正の観点から受け入れ難いと考えます。金持ち優遇税制と言って良い「申告分離課税」の大幅な見直しが必要と考えます。私見ですが、課税所得5,000万円以上に該当する富裕層の所得は、すべて「総合課税」として、「申告分離課税」は認めなくすることが望ましいと考えます。

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