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第七回目 日本の富裕層に対する増税(その2)

消費増税と共に実施すべき社会福祉の圧縮と効率化、政治家・官僚集団の改革という身を斬ることにおよび腰な政府の姿勢に対して多くの国民は批判的です。そこで俎上に上がってくる議論は、「金持ちにもっと課税しろ!」の要求です。そうすれば税収が上がるとの要求です。その要求に応える形で、社会保障・税一体改革大綱(2012年2月17日閣議決定)において、現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得5,000万円超について45%の税率を2015年から設け、適用するという政府案が提案されています。

現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得5,000万円超について45%の税率を設けるという政府案が導入されると、所得税の税率は、45%を最高税率とする7段階累進税になります。

課税所得5,000万円に給与所得控除約450万円、社会保険料控除等222万円を足し込むと給与所得が推定できます。その推定によると、課税所得5,000万円の人の給与所得は約5,700万円になります。増税効果を知る意味で、留意すべき点は、上記表の税率は累進税率であることです。課税所得5,000万円を超えた部分に45%の税率で所得税が課されます。課税所得6,000万円の人の負担する増税金額は、50万円です。課税所得5,000万円の人は増税の影響はゼロです。

課税所得6,000万円の人を例にして増税金額を算定します。累進税率ですから、45%の税率の課される所得は、5,000万円を超えた1,000万円(=6,000万円-5,000万円)です。
1,000万円の所得に対する税は増税前であれば400万円(税率40%)です。増税後であれば450万円(税率45%)です。税金が増税により50万円増えています。しかし、「金持ちにもっと課税しろ!」と叫んだ人が溜飲を下げるような額ではありません。

次回、課税所得5,000万円以上の富裕層をターゲットにした増税の効果について検討いたします。

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