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税務通達を点検(4)

税務行政では国税庁、TB0-108税務署などの税務行政当局が納税者に対して税法の解釈と適用を適正・公平かつ統一的に行うことが求められる。当局が税法を解釈・適用する際には税務通達によることが多い。

税務通達とは国税庁がその下級の行政庁である国税局、税務署に発する税法の解釈に関する命令ないし指令である。表のように基本通達と個別通達がある。通達は税務行政組織の内部で法令の解釈を統一するためのもので、納税者である国民や企業などに対するいわゆる行政指導文書ではない。つまり、通達は法令でなく、000-120単に税務当局の内部おいて示達されものに過ぎず、通達は法源を構成していない。税務訴訟において裁判所は、税務当局が課税の根拠とした通達に判断を下すのではなく、課税要件事実と関連する法令と照らし合わせて判断するのである。

憲法第84条では租税の賦課・徴収は必ず法律の根拠に基づいて行わなければならないとする「租税法律主義」を定めている。従って税務通達の内容は法律に抵触してはならない。しかし、税務通達の内容が法律に準拠しているとは言い難い場合が散見されるのが現状である。

このため、税務通達は納税者の税務行政に対する信頼確保のために納税者に公開されなければならない。従来から国税庁は税務通達を公表しているが、最近ではホームページでの開示も行っている。

通達がない場合や通達はあるがその適用が明らかでない場合、納税者が当局に公式見解を事前確認できるように国税庁は「事前照会に対する文書回答」の制度を導入している。ただ、この制度の対象は「反復継続して行われる取引等に係る照会で不特定多数の納税者に関わるものであること」などとされ、特定の納税者の個別の事情は対象外だ。また、税法の解釈に関する照会はできるが、個別取引の税負担額は照会できない。

各国税局の税務相談室では電話や面談で納税者の個別の質問を受け付けているが、書面による回答は行わない。したがって公式見解の事前確認まではできない。一方、米国などでは、不特定多数の納税者だけでなく、個別の納税者に関する将来の行為や取引についての税法解釈の事前確認手続き(アドバンス・ルーリング)が設けられている。

税法の適用上の安定性と予測可能性の確保のためには、わが国でも事前確認手続きの制度化が求められる。例外であるが、移転価格の取扱いに関しては、わが国でも事前確認手続きが制度化されている。

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