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税務行政組織を点検(3)

? わが国では財務省の主税局が税制の調査・企画・立案を行っている。税務の執行はそこから分離され、国税庁が担当する。国税庁は国税の賦課・徴収の役割を担い、また、同庁の特別機関である国税不服審判所では納税者からの審査請求の裁決も行う。

国税庁の下部組織として全国に11の国税局(および沖縄国税事務所)が、さらにその下には税務署がある。国税庁は国税局と税務署を指揮監督する。また、執行のための企画・立案や税法の解釈の統一を行い、これら下部組織に通達する。国税庁の下にはそのほか税務職員の教育機関である税務大学校が設けられている。

国税局では税務署の事務運営を指導監督するとともに、査察調査、大法人調査、大口滞納者の滞納整理などについては自らが税金の賦課・徴収に当たる。税務署は納税者の相談に応じるとともに、国税の賦課・徴収を行う第一線の行政機関である。

0B0-107
000-163

国税庁とその下部組織の権限は税務職員によって行使される。その権限とは具体的には調査や徴収のために必要な権限である「質問検査権」や「徴収権」などである。

質問検査権を行使するにあたっては、納税者らの秘密を知る可能性が高い。そこで税務職員には個別の税法上、他の公務員よりも重い守秘義務が課されている。これは納税者の秘密が外部にもれ、その利益が害されるのを厳重に阻止するためである。

税務調査の結果、所得の更正が行われ、納税者がその処分に不服があるときは税務署長に対する異議申し立てと、さらに国税不服審判所長に対する審査請求ができる。

ただし、これらの不服申立制度は処分内容についてのみに限られており、納税者の権利を無視した税務調査に対する苦情のような税務行政の運営に関するものは対象外である。

欧米諸国では、不当な税務行政に関するオンブズマン制度が設けられ、苦情処理が行われている。納税者の権利を保障するためには、わが国においても税務行政の運営に対する苦情処理機関の設置が望まれる。

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