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移転価格税制(3)

  移転価格制度の内容を概観する。
  移転価格制度は、法人とその国外関連者との間の取引(国外関連取引)に対して適用される。国外関連者とは、法人との間に特殊の関係(直接又は間接に50%以上の出資又は被出資の関係があるか、実質的に支配し又は支配される関係)のある外国法人をいう。

  国外関連取引に付される移転価格が適正でない場合には、法人の申告所得が過少(又は過大)となる訳であるが、移転価格課税は申告所得が過少の場合だけに適用される。例えば、法人が国外関連者に輸出する取引の場合には、その価格が基準よりも低すぎる場合にはこの税制が適用されて課税されるが、高すぎる場合には減額更正はされない。逆に輸入の場合には価格が高すぎる場合にのみ課税されることとなる。

  国外関連取引に付される移転価格が適正なものであるかどうかは、独立企業原則という理念に基づいて行われる。これは国外関連者との取引が出資や支配関係のない企業間(独立企業間)で行われたとしたならば付されたであろう取引条件における価格(独立企業間価格)を算定し、これを基準としようとするものといえる。

  具体的な計算の方法としては、?非関連者(特殊の関係のない者)間における取引価格や、取引利益率と比較参照して独立企業間価格を算定する手法(比較法)と?法人と国外関連者双方を通じた所得を、所得の発生に寄与した程度によりそれぞれに配分した場合の所得となるような価格を独立企業間価格とする手法(利益分割法)の大きく二つに分けることができる。以下に各手法を列挙する。

独立価格比準法 (CUP法、Comparable Uncontrolled Price Method):取引対価を比較
再販売価格基準法(RP法、Resale Price Method):輸入側で売上高売上総利益率を比較
原価基準法(CP法、Cost Plus Method):輸出側で売上原価売上総利益率を比較
取引単位営業利益法(TNMM、Transactional Net Margin Method):売上(輸入側)又は総費用(輸出側)に対する営業利益率を比較
利益分割法(PS法、Profit Split Method)

 CUP、RP及びCPの各手法は基本三法と呼ばれ、他の手法に優先して適用される。次回は、各手法の問題点について検討していく。

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