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所得の計算期間(8回目)

 法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額は、人為的に期間を区切ったうえで、原則としてそれぞれの期間ごとに計算される。(法人税法第21条)(注)

(注)ただし、青色申告によっている法人については、欠損金の7年間の繰越し(同法第57条)又は前年度分の繰戻し還付(同法80条。ただし、措法第66条の13により一部例外を除き適用停止となっている。)が認められている。

いわゆる「期間損益計算」という考え方である。したがって、その期間をどのような長さに区分するかによって、課税標準たる所得金額が変わってくる。

 しかし、その期間が法人によってまちまちとなっていたのでは、統一基準による正しい期間損益(所得金額)の計算ができなくなってしまう恐れがある。

 そこで、法人税法では、期間利益を計算するという企業会計で確立されている考え方をベースとしつつ、そこに税法独自の考え方を盛り込み、これを「事業年度」と定義付けたうえで、その期間等について次のような規定を設けている(法人税法第13条各項)。

 ?定款や法令等で期間(いわゆる会計期間等)が定められているとき──法令又は定款等で定められた事業年度(注)

 (注)ただし、その期間が1年を超える場合は、1年ごとに区分する。

 ?定款や法令等に会計期間等の定めがない場合──法人の届け出た事業年度。届け出がない場合は税務署長が指定した期間

 なお、法人が定款等で定めた会計期間等を変更し又は新たに定めた場合には、所得の計算期間が変更になり、結果的に所得金額にも影響してくる。

 そこで、そのような場合への対応として、法人税法では、法人に対し変更後の会計期間等を遅滞なく所轄税務署長に届け出ることを義務付けている(同法15条)。

 次回は、企業の事業年度および年度の途中で解散した場合の事業年度について説明する。

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