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事業年度(9回目)

 法人、個人を問わず、所得を課税標準とする税制の下においては、一定期間を区切って所得の金額を確定することが必要である。そこで、個人の場合にあっては「暦年」ごとに(所得税法8条)、法人の場合にあっては「各事業年度」ごとに(法人税法9条、以下単に法法という)所得の金額を計算することとしている。

 そこで、以下では税務会計の中心である「各事業年度」についてみてみよう。
 法人は、出資者である株主等から預かった資金等で事業活動を行い、その結果を一定の期間ごとに決算によって損益の額として確定し、利益が出た場合には、それら(又はそのうちの一部)を出資者である株主等に剰余金の配当等として支払うということを暗黙の前提として成り立っている組織体である。
 このように、損益計算を行うために人為的に区切られた期間は、企業会計上、一般に「会計期間」「営業年度」又は「会計年度」等という名で呼ばれている。
 そこで、法人税法でも、企業会計におけるこのような期間損益計算の考え方を原則として受け入れ、法令上これを「事業年度」という形で統一している(法法13条)。
 すなわち、法人が「会計期間」等を定款又は法令で定めている場合には、それを「事業年度」とする(法法13条1項前段)とともに、定款等でその期間を定めていなかったり、期間を定めていてもその期間が1年を超える場合には、税務署長が指定した会計期間を「各事業年度」ということにしている(同項後段及びただし書き)。
 ちなみに、定款や法令等に会計期間がある場合とない場合における事業年度の決定は、次のようになっている。

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