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中国税制改正と不動産税制改革(4)

  不動産税制改革

  2010年4月14日に国務院は常務会議を開催し、不動産市場について次のような決定を行っています。
  住宅価格の急激な高騰を抑制する。各都市の地方政府は不動産市場の健全な発展を維持する責任を真剣に果たさなければならない。住宅を保障することを強化し、住宅建設用地の有効な供給を増加する。住宅ローン政策の差別化を厳格に実行し、投機的な不動産の購入を抑制する。個人の住宅消費の租税政策を合理的に導入する制度制定の検討を加速する。
  この最後の個人の住宅消費の租税政策が具体的に何を意味するのかまだ明確ではありませんが、2010年5月18日付の中国証券報では、「地方政府は房産税の課税範囲に対して解釈権はない」とする次のような趣旨の記事を掲載しました。
  あるメディアが報道した上海市政府が、「現行の房産税暫定条例によれば、房産税の課税対象は営業性物業(営業目的の不動産)であり、上海の方案では多層住宅(高層住宅)を営業行為と解釈する」と報道したことについて、国家税務総局のメディア担当官は、現行規定により租税の立法権は中央政府にあり中央政府が決定したことについて地方政府は執行するものであり、地方政府には新しい税法を公布する権限はない。
  私見ですが、これは上海市政府が方案として検討している房産税は、房産税の課税対象を営業用房産だけではなく、個人が投資目的で保有する高層住宅まで営業行為と解釈して房産税の課税対象を拡大しようとしたことに対して、国家税務総局が房産税の課税範囲の拡大は中央政府の租税解釈権に属するものとして上海市の方案を否定したものと思われます。
  なお、中国の不動産税制は、不動産の取得段階、保有段階、売却段階に区分すれば、取得段階では、不動産取得税(契税)と印紙税があり、不動産の保有段階では房産税、都市郷鎮土地使用税、耕地占用税があり、不動産の売却段階では土地増値税、個人所得税法、企業所得税、営業税等があります。
  今回の税制改正は、不動産の保有段階にかかる房産税の改革が検討されています。不動産の売却段階で営業税が課税される場合には、都市擁護建設税と教育附加費も徴収されますが、上述したように2010年末頃には、外資系企業と外国人に対してもこれらの税金と費用が徴収されることになりそうです。

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