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「損金の額」に算入すべき金額(12回目)

? 「所得の金額」の計算上、「損金の額」に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とすると定められている(法法22?)。
1.当該事業年度の収益に係る売上原価・実際工事原価その他これらに準ずる原価の額(同項一)
2.当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(例えば営業外費用となる支払利息等)の額(注)(同項ニ)
(注)ただし、償却費以外の費用が当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く(同項ニかっこ書き)
3.当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの(同項三)

? これらのうち、1.は収益を構成する売上高に直接対応する原価部分(cost of goods sold or services provided)である。この部分については、企業会計上も法人税法上もそれほど大きな相違点はない。それは、この部分が会計学でいう「費用・収益対応の原則」が最も良くあてはまる分類だからである。(注)
(注)ただし、無償による資産の譲渡や役務の提供などのように、企業会計上そもそも収益が認識されない場合には、必ずしも「費用」と「収益」とが直接には対応しないような場合も生じてくる。。

?? 次に、2.の部分についてであるが、この部分には、収益との個別対応性がやや薄いものも多い。そのため、一般的には「期間費用」として位置付けられている。この部分のなかには、法人サイドの意思によってその計上時期を操作することが可能な部分も含まれている。そこで、そのような恣意性を排除するため、法人税法では、「債務確定主義」という概念を持ち込んでいる。すなわち、販売費、一般管理費その他の費用については、「償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。」と規定している(法法22?ニかっこ書き)、換言すれば、債務が確定しているもののみを費用の額として認識するという考え方である。(注)
?(注)もっとも、法人税法上でも、見積り的要素の含まれた引当金の計上が認められている。しかし、その範? 囲は極めて限定されている(法法52、53)。ちなみに、法人税法22条第3項第2号で規定する「期末までに債務が確定している」とされるためには次に掲げるすべての条件を充足していなければならないとされている(法基通2-2-12)。
? ?期末までにその費用に係る債務が成立していること
? ?期末までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
? ?期末までにその金額を合理的に算定することができるものであること

??3.については、収益との対応性や期間対応的な考え方も取りにくい。そのため、事実がいつ発生したかによってそれが生じたときの属する事業年度の損金にすることにしている。

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